自分も参考書を書く立場として、市販の参考書で気になっていることを書いときます。
いろいろありますが、今日は真数条件について書きたいと思う。これは、高校生の頃から思っていたことです。
(底はすべて2とします。
また、^は累乗をを表します。例えば、2^10は2の10乗という意味です)
【その1】
置き換えのときは真数条件の確認は不要!!
(よくある市販の参考書から)
(問) 方程式 (logx)^2-4logx+3=0を解け。
(解答)
t=logxとおくと、
t^2-4t+3=0
(t-1)(t-3)=0
∴ t=1,3
t=1のとき、x=2で、これは真数条件を満たす
t=3のとき、x=8で、これは真数条件を満たす
よって、
x=2,8
(志田の見解)
えーとですねぇ。t=logxとおくってことは、x=2^tですから、すべての実数tに対して、x>0は保証されています。だから、真数条件は成り立つに決まっています。だから、赤字は不要。
【その2】
対数方程式で、真数条件を解くのはナンセンス!
(よくある市販の参考書から)
(問) 方程式 log(x-1)=log(8-2x) を解け。
(解答)
真数条件より、
x-1>0、8-2x>0
よって、
1<x<4 …①
このとき、与えられた方程式は
x-1=8-2x
∴ x=3
これは①を満たす。
よって、
x=3
(志田の見解)
真数条件は解く必要はありません!例えば、
log(x^5+x+1)=log(x^5ーx+3)
なら真数条件は
x^5+x+1>0、x^5ーx+3>0
でしょ。これを解けるなら解いてください(笑)。
ちなみに、真数を比べれば、5乗の項が消え、答えはx=1とすぐわかるのに、真数条件なんか解いてたら時間の無駄でしかありません。
志田はこう解きます。
(志田の解答)
(問) 方程式 log(x-1)=log(8-2x) を解け。
(解答)
真数条件より、
x-1>0、8-2x>0 …☆←この式は解かずにこのままにしておく
このとき、与えられた方程式は
x-1=8-2x
∴ x=3
これは☆を満たす。
よって、
x=3
上も同じように真数条件は解かずに解がx=1とでてから、5次不等式に代入して成立することをチェックすれば、解く必要はないのです。
なお、参考書批判でなく、問題提起ですので(笑)。ご意見いただけると嬉しいです。
また、気が向いたら書きます。結構、長くなるし、神経使うから最後かもしれませんが(笑)。